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ミツバチ

自然界での完璧なコンビ

アーモンドの木に花が咲くと、ミツバチは栄養豊富な花粉から、その年最初の食料源を得ることになります。ミツバチが農園で授粉を行うのは1年のうちの2か月間だけですが、当協会は年間を通じて、ミツバチの健康を守るための取り組みを行っています。

ミツバチがより健康になって他の作物で授粉を行うために、アーモンド農家が確実に安全な環境を整えられるよう、当協会は1995年からミツバチの健康に関する研究を進めています。業界の枠を超えたパートナーとの協力のもと、農場での授粉媒介者の健康を守るための指針となるミツバチ・ベスト・マネージメント・プラクティス(BMP)が策定されています。これは、すべての農家を対象としています。

ミツバチに対する複雑な問題について真の解決策を見つけるために、パートナーと連携しています。ミツバチがいなければアーモンドは育たないのです。

Almonds

アーモンドの木には他家受粉が必要ですが、ミツバチは花粉を木から木へと移動させて授粉します。   アーモンド農園にやって来たミツバチは次第に強くなっていきます。アーモンドの花粉がミツバチにとって非常に栄養価の高い、その年の最初の自然の食料源になるからです。1

ミツバチとアーモンド

受粉のパートナー

毎年2月と3月に、アーモンドの木ではつぼみが開き、美しい淡いピンクと白の花が一斉に咲き、授粉を待ちます。花が咲くと、ミツバチは農園の中で花粉と花蜜を探し回ります。ミツバチは、木から木へ移動するときにアーモンドの花に授粉します。そして、授粉された花がアーモンドへと成長します。養蜂家は、アーモンドの授粉が終わるとミツバチを米国内の別の場所へ運び、90以上の作物に授粉させ、ハチミツを作ります。

アーモンドの授粉にミツバチは不可欠ですが、ミツバチもアーモンドから恩恵を受けています。アーモンド農園は、ミツバチの巣を強くする上で役立っています。その理由は次のとおりです。1, 2

  • アーモンド農園は、ミツバチにその春一番の天然の食料源を提供します。

  • アーモンドが私たちにとって栄養豊富なスナックであるのと同様に、アーモンドの花粉はミツバチが必要とする10の必須アミノ酸をすべて与えてくれ、ミツバチにとっても栄養たっぷりの食べ物です。

  • 養蜂家がアーモンドの開花期に農園を訪れるたび、ミツバチの巣は強くなります。

  • 養蜂家は沢山の巣を分けて、養蜂場を増やすことができます。

Almonds
数字で見るミツバチの健康

  • 世界の食料生産において授粉媒介者が必要な割合は33%
  • 毎年、商用ミツバチによる授粉が行われている米国の作物は90種類
  • 現在までにアーモンド協会が出資したミツバチの健康に関する研究プロジェクトの数は100件以上
  • 1995年にミツバチの健康増進に向けた研究に出資するため、ミツバチの健康に関するタスクフォースが設立される
  • 健康への取り組み

    ミツバチの健康悪化が広範に報告され懸念となっています。その要因には、養蜂や作物の生産活動も含まれますが、その結果、安定した栄養源として私たちが頼っている食べ物の多くが危機にさらされています。過去20年間3、米国におけるミツバチの巣箱の総数は安定して いますが、 健康で安定した巣箱を維持するのは養蜂家にとって大きな課題です。

    そこで、当協会は1995年からミツバチの健康に関する研究を進め、ミツバチが直面している問題の解決に向けて、主要な大学、研究機関、非営利団体と連携しています。こうした問題は、ミツバチヘギイタダニなどの害虫や病気、花資源の不足、限られた遺伝的多様性、殺虫剤への暴露といった複雑なものですが、パートナーとの連携のもと、真の解決策の特定を図っています。

    ミツバチに影響を及ぼす要因 現在の対策
    ミツバチヘギイタダニ 大きな被害をもたらす害虫の駆除に対する、養蜂家向けのガイダンスと処理の選択肢についての調査
    その他の害虫や病気 養蜂家と連携して巣を監視し、害虫や病気への対応について助言を行う技術移転チームの設置
    限られた遺伝的多様性 外国の新しい遺伝物質を米国に採り入れて養蜂家に提供し、養蜂の備蓄を改善するための研究への出資
    殺虫剤への暴露 授粉中にアーモンドを保護するために必要な害虫駆除剤がミツバチに影響を及ぼす可能性の把握、および影響を最小限にする方法の特定
    餌と栄養の不足 補助的な餌に関するメリットと管理方法についての理解、および花の種の分布に対する支援

    当協会は、ミツバチの健康に関する研究に対し、他の作物グループよりも多く出資しており4、これまでに125を超える研究プロジェクトを支援しています。こうしたプロジェクトによって、アーモンド農家は授粉媒介者のために安全な環境を確実に用意できるようになっています。

    大学、政府機関、非営利団体との連携の下、研究結果に基づいて作成されたミツバチ・ベスト・マネージメント・プラクティスBMPは、農場での授粉媒介者の健康を保護するための農業界全体の指針となっています。このガイドラインでは、農園をミツバチにとって安全で快適な場所にする方法から、ミツバチに危害を加えずに害虫や病気に対処する方法まで、様々な助言を提供しています。

    当協会のミツバチとその健康に関する提言は、アーモンド農園についての考察をはるかに超えたもので、すべての作物に関して重要な知識を提供しています。
    エリック・マッセン(Eric Mussen)博士(UC Davis Extension Apiculturist Emeritus)

    生物多様性の促進

    こうした取り組みに加え、カリフォルニアのアーモンド・コミュニティは2020年に5つの方針からなる授粉媒介者保護プランを立ち上げ、授粉媒介者の健康を増強するための取り組みを進めています。当協会によって策定、出資された新しいミツバチ+スカラーシッププログラムでは、開花期の被覆作物の植え付け費用を賄うための助成金が提供されています。こうした被覆作物は、ミツバチにとって重要な補助栄養源となるほか、すべて授粉媒介者の生息環境としても機能します。

    2021年4月、当協会は授粉媒介者パートナーシップとカリフォルニア州食料農業省とともに、カリフォルニア授粉媒介者連合を招集しました。この連合は、カリフォルニアの農地と放牧地の大半に相当する農業・環境組織の多様なグループで構成されており、授粉媒介者の生息環境を改善する目標を共有しています。連合と各メンバーは、それぞれの土地で授粉媒介者の生息環境を拡大することと、健全で豊かな環境作りに向けた研究を推進して、進捗を追跡することを約束しています。

    この取り組みはまだ始まったばかりですが、現在の緊急事態について理解し、授粉媒介者の健康と農業の健全性を支援するという共通の目標を持つパートナーの募集が継続されています。

    ミツバチに優しい農園

    当協会は、Project Apis m.や授粉媒介者パートナーシップなどと連携し、アーモンドの開花前後のミツバチのさらなる食料供給源として、農園内や農園付近の授粉媒介者の生息環境を充実させることを奨励しています。そのために植えられる被覆作物はミツバチの健康増進を助けるほか、野生の授粉媒介者の食料源にもなります。また、炭素隔離や土壌の健全性、水の浸透性などの改善にもつながります。

    今年は当協会のミツバチ+スカラーシッププログラムに後押しされ、Project Apis m.のミツバチのための種まきプログラムが拡張されました。授粉媒介者の生息環境となるアーモンド農園がおよそ15,000エーカー拡大され、昨年のアーモンド授粉媒介者の生息環境のフットプリントから22%増加しました。ミツバチのための種まきプログラムが開始された2013年以来、授粉媒介者の生息環境としてアーモンド農家が拡大した農園は82,000エーカーに及びます。5

    ミツバチ+スカラーシッププログラムでは、授粉媒介者パートナーシップのミツバチに優しい農業プログラムへの農家による参加も奨励されています。現在までに54,202エーカーのアーモンド農園がこのプログラムで認定されており、農家は建設的な変更を徐々に行うことで積極的に授粉媒介者を保護しています。

    ミツバチの生息環境で今起きていること

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    スポットライト: ミツバチの健康
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    ミツバチの健康を守る
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    ミツバチが生息する環境

    1. Ramesh Sagili, Oregon State University, Department of Horticulture.
    2. Ellen Topitzhofer, et al. Assessment of Pollen Diversity Available to Honey Bees in Major Cropping Systems During Pollination in the Western United States. Journal of Economic Entomology. 2019.
    3. USDA-NASS. Honey Bee Production Report. 2000–2019.
    4. Gene Brandi. Vice President, American Beekeeping Federation.
    5. Billy Synk. Director of Pollination Services. Project Apis m. Nov. 2020. Represents total plantings from 2013 - present.