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加工による影響

アーモンドの粒は、料理の材料やスナックの用途にあわせて、様々な形状に加工される場合があります(皮なし、ロースト、スライス、スリバード、ダイス、ミール)。その効果をご紹介します。

アーモンドの粒は、料理の材料やスナックの用途にあわせて、様々な形状に加工される場合があります(皮なし、ロースト、スライス、スリバード、ダイス、ミール)。その際に熱または粉砕処理が施されますが、熱処理により、アーモンドに何らかの化学反応が生じる場合があります。粉砕処理では、空気に触れる表面積が増加します。どちらの処理でも、アーモンドの加工品における貯蔵性に影響を及ぼします。加工されローストされたアーモンドは、無加工のアーモンドよりも貯蔵性が短くなります。加工品の貯蔵性を保つため、加工パラメーター(温度、時間など)および加工後の取り扱いに特別な注意を払う必要があります。ローストは、品質に最も大きな影響を及ぼす一般的な加工法です。

 

ローストの最適化

ローストとは、天然のカリフォルニア・アーモンドの歯応え、色、風味を変化させるために用いられる熱処理です。ローストされたアーモンドは、カリッとした食感が増し、色が濃くなり、魅力的で香ばしい風味を持つようになります。皮付き・皮なしのアーモンドの粒は、使用目的によって、熱風(ドライロースティング)または高温の油に入れてローストされることがあります。ドライローストされたアーモンドは、通常チョコレート、菓子類、朝食用シリアル、焼き菓子で使われますが、スナックとしての利用も増えています。油でローストされたアーモンドは、通常、アイスクリームやスナックに使われます。殻付きアーモンドも、スナック用にドライローストすることができます。

アーモンドは、一般的に265〜320°F(約130~160°C)でローストされます。265〜293°F(約130~145°C)の低温から中温でのローストは、アーモンドのミクロ組織の維持を助け、食品の賞味期限を最大にします。様々なローストの温度と時間を組み合わせることで、ライト、ミディアム、ダークにローストされたアーモンドになります。ほとんどの場合、ロースト時間を調整することで、異なる温度でも、同程度のロースト(色付きの点で)具合が得られます。ロースト温度が低い場合は長めの時間が必要になり、高い温度では短めとなります。カリフォルニアのアーモンドにとって最適なロースト加工を選択するため、賞味期限や品質だけでなく、望ましい色と味についても考慮します。


アーモンドのロースト加工で重要なポイントは、以下の通りです。

  • 均一な熱処理を行う

  • ナッツの色、歯応え、味における一貫性を確保する

  • ナッツの完全性、細胞のマイクロ組織、外見の維持

  • 熱処理後のローストナッツを速やかに冷却す

  • 冷却後、保存時の酸化を抑えるため、速やかに高密閉容器に入れる

Almonds
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アーモンドの高温ロースト ABC Technical Summary, July 2014.

ローストアーモンドのアクリルアミド

アクリルアミドとは、一部の炭水化物を多く含んだ食品(じゃがいも、ベーカリー類、シリアルなど)をフライ、ロースト、焼く時に自然に形成される化学物質です。食品において、大半のアクリルアミドは、遊離アミノ酸アスパラギンと還元糖(ブドウ糖と果糖)との反応を通じて形成されます。この反応は、主に低湿度環境で250°F(約121°C)を超える食品の加熱中に起こるメイラード反応(非酵素的褐変としても知られる)の一部です。

一部の食品に見られる凝縮したアクリルアミドは、実験動物において、がんを生じさせることで知られる化学物質であり、ヒトに対しても発がん性がある可能性があるため懸念材料となっています。

アーモンドには、アクリルアミド形成の前駆物質である遊離アスパラギンと還元糖が含まれています。アクリルアミドは、生のアーモンドには含まれていませんが、ローストアーモンドには含まれます。多くの要素が、ローストアーモンドのアクリルアミド量に影響を及ぼします。最も重要なのは、ローストする条件ですが、それだけではなくアーモンドの成分、品種、成熟度にも関係します。

2003年以来、カリフォルニア・アーモンド協会は、アーモンドのアクリルアミド量を調査する数々の調査プロジェクトに出資してきました。これらのプロジェクトには、商業的な製品アンケートから、様々な品種のアーモンドのアクリルアミド前駆物質の分析、ならびにアクリルアミド量に影響を与える可能性のあるロースト温度や時間、ロースト後の保存に関する研究などが含まれます。

Journal of Agricultural and Food Chemistryで公開された研究は、295°F(146°C)未満の温度でローストして、軽度または中度にローストされた製品を得る場合に、ローストアーモンド内のアクリルアミドの形成が最小限に抑えられることを発見しました。カリフォルニア大学の研究者は、最終的なアクリルアミド量に対して、加工時間よりもロースト温度がずっと大きな影響を及ぼすことを示しました。

 

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